増収計画を立てる前に費用が増える理由を分ける
売上を伸ばす計画を立てたのに、手元に残るお金が思ったほど増えない。
そんなときは、売上目標と費用の見積もりをつなぐ説明が抜けていないかを確かめたいところです。「売上が一割増えるから費用も一割増える」という置き方では、農園で起きる変化を十分に捉えられません。
同じ面積で収量を増やすのか、面積を広げるのか、価格を見直すのかによって、増える仕事も支出も変わります。
売上の増え方を具体的にする
最初に、売上が増える理由を価格、数量、販売先や商品の組み合わせに分けます。
値上げだけなら箱の数は変わらなくても、売上に連動する販売手数料は増えるかもしれません。出荷量を増やすなら、箱代に加えて選別や梱包の時間も確認します。
同じ面積で収量を増やす場合も、肥料や水、作業時間が増えないとは限りません。増収の方法と現場の条件を一緒に見積もることが大切です。
費用も、出荷数量、栽培面積、作業時間、設備の保有など、何に応じて動くかを書き添えます。一つの費目に複数の動き方があっても構いません。
電気代なら基本料金と使用量、人件費なら通常の配置と追加の作業時間を分けると、計画との関係が見えやすくなります。
比較する期間と設備の余力をそろえる
今の設備で対応できる範囲では増えない費用も、能力の上限を超えると大きく増えることがあります。
「今季の追加注文に応じる判断」と「数年先まで生産を拡大する判断」では、見るべき費用が違います。管理上の分類は、判断の目的と期間に合わせて使いましょう。
出荷に直接かかる費用を引いただけの金額を、農園全体の最終利益と取り違えないことも必要です。
たとえば、追加売上が30万円、追加の出荷費用が6万円、作業費が8万円、資材費が4万円なら、差し引きは12万円です。(これは説明用の架空例で、このほかに増える費用がない場合の計算です。)
既存の固定費を二重に差し引くことも、追加作業を見落とすことも避けたいところです。
検討している増収策を一つ選び、売上の増分と、そのために増える費用だけを一枚に並べてみてください。
「この費用は、何が変わると増えるのか」を現場担当者に聞くことから、計画の精度は上がっていきます。
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