天候で作付け計画が崩れたときの経営の立て直し方
雨が続いて圃場に入れない。作付けが遅れ、予定した面積を確保できない。
天候で計画が崩れたときは、栽培の対応と一緒に、販売、資金、人員の計画も更新する必要があります。年初の目標を残したまま現場だけで埋め合わせようとすると、今できることが見えにくくなります。
最初に確かめたいのは、どこまでが事実で、どこからが見込みなのかです。
作付け済みの面積、現時点の生育、収穫までに必要な作業を整理します。面積が減った割合と、最終的な出荷量が減る割合は、必ずしも同じではありません。
面積から出荷までを段階に分ける
「今年は厳しい」という一言を、面積、単位面積あたりの収量、出荷できる割合、販売単価に分けてみます。
例えば、仮に作付け面積が計画の8割で、単位面積あたりの収量も計画の9割なら、収穫量は単純計算で計画の72%です。実際には、品質や規格によって出荷量がさらに変わります。
こうして分けると、まだ改善できる部分と、今期は受け入れる必要のある部分が見えてきます。
残った作物の品質を守る、収穫や調製の遅れを防ぐ、販売規格を相談するなど、限られた時間を何に使うかを選べます。焦って新しい作付けを増やす場合も、収穫時期と必要な人員を先に確認します。
販売先への相談を早めに始める
注文があることと、約束した数量を出荷できることは別です。
出荷量が足りない可能性が見えたら、確定していること、まだ分からないこと、次に見通しを更新できる時期を整理して取引先に伝えます。
契約の数量や品質、納期に関する条件は、それぞれの取り決めを確認します。数量変更、分納、納期調整などの余地を話し合う際にも、できると決まっていないことを約束しないようにします。
連絡を一度で終えず、次の報告日を決めておくと、相手も仕入れや販売の準備を進めやすくなります。
今年を乗り切る資金と来年への対策を分ける
収穫が減っても、すでに使った資材代や施設費、人件費のすべてが戻るわけではありません。変更後の販売見込みを月別の資金繰りに反映し、いつ残高が減るかを確かめます。
来年の回復を期待する場合も、そこまで事業を続けられる資金があるかを確認します。
圃場の排水や水の供給に問題があるなら、場所ごとに原因を調べ、必要な対策を専門家や関係者と検討します。
工事や設備の効果は圃場の条件によって異なります。水源の利用条件、工事時期、費用を確かめ、導入しただけで問題が解消すると決めつけないことが必要です。
拡大の目標を人員と役割まで落とし込む
規模拡大の初期には、圃場条件や作業の段取りについて新しい情報が得られます。
その情報を次の計画に残すため、起きたことと原因の仮説、次に試す対策を分けて記録します。結果をすべて天候だけに帰さず、作業順序や判断の時期も振り返ります。
将来の面積や売上を考えるときは、栽培、事務、販売、設備管理を誰が担うかも描きます。
地域との活動や、多様な人が働ける職場づくりを続けたいなら、そのための担当と時間も計画の中に置きます。
働く人の適性は本人の希望や実際の仕事ぶりから確かめ、属性だけで役割を決めないことが大切です。
賃金や休暇を改善する構想も、継続して支えられる収益と人員配置につなげます。
今期の立て直しを進めながら、来年に残す改善を一つ決める。そこまで整理すると、厳しい一年の経験を次の経営判断に使えます。
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