同じ収穫量でも販売先と売り方で採算は変わる

同じ収穫量でも販売先と売り方で採算は変わる

収穫量を増やす前に、今ある商品をどこへ、どの形で販売しているかを見直してみましょう。

同じ農産物でも、取引先、販売時期、規格、包装によって、農園に残る金額と必要な仕事は変わります。

ここで整理したいのは、作物としての「品目」と、販売する単位としての「商品」です。同じ品目でも、家庭用、贈答用、業務用では、価格も包材も受注の手間も異なります。一つの品目の平均値だけでは見えない差があります。

比べる単位と差し引く費用をそろえる

一箱、一袋、一キログラムが混ざったまま、商品の採算を並べても比較できません。

比較の目的に合わせ、同じ重量や数量に換算します。そのうえで、販売価格から何を差し引くのかをそろえます。

例えば、販売手数料、包材、送料などの販売に伴う費用を差し引いた額と、栽培費や人件費まで含めた利益は異なります。

「手取り」という言葉だけでは範囲が曖昧なので、表には費用の内訳を置きます。

売上から変動費を差し引いた額を限界利益と呼びますが、通常の売上総利益と同じになるとは限りません。固定費と変動費の区分をそろえることが比較の前提です。[参考1]

高単価の商品ほど有利に見えても、小口配送や個別対応が増えれば、追加の時間と費用がかかります。直販、卸、ネット販売を比べる際には、注文から入金までの仕事を一通り書き出してみてください。

販売の配分変更を小さく試算する

仮に、同じ農産物を販売先Aから販売先Bへ切り替えることで、追加費用を差し引いた後の利益への貢献が一キログラムあたり180円増えるとします。

切り替えられる量が年間400キログラムなら、改善見込みは7万2,000円です。これは架空の条件による計算例です。

この計算を使うには、販売先Bに需要があり、その量を引き受けてもらえること、追加の人員や設備費用が漏れていないことを確認します。

単価差を全収量に掛けただけでは、実行できる計画にはなりません。まず少量で販売し、実際の作業時間と顧客の反応を確かめる方法があります。

生産の改善と販売の上限を一緒に見る

品質が良くなったり、収量が増えたりしても、販売先の受け入れ量に上限がある場合があります。生産だけを増やすと、余った商品を条件の悪い販路に回すことになりかねません。

高収益の商品を増やす前に、その商品をいつ、どのくらい売れるかを確かめます。季節の需要で高く売れる商品と、年間を通じて安定して売れる商品も、役割を分けて考えます。

特定の時期の価格を、年間すべての販売に当てはめないことが大切です。

価格を見直す際は、他の産地や競合の価格を参考にしながら、品質、内容量、納品条件、用途の違いを確認します。

相場より高いか低いかだけで判断せず、顧客が選ぶ理由を言葉にします。販売先を広げるなら、必要な手続きや受発注への対応も含め、自分たちが継続して取引できる条件を決めます。

利益の改善を資金の見通しにつなげる

商品別の採算を改善した後は、農園全体でどれだけ利益が残るかを確認します。

さらに、現金がいつ入るか、仕入れや給与をいつ払うか、借入金の元本返済や設備への支払いがいくらあるかを並べます。利益と現金の増減は一致しないためです。

減価償却費は、その期間の現金支出と必ずしも一致しない費用です。利益に減価償却費を加える見方は資金を考える出発点になりますが、売掛金、在庫、税金、設備投資などの変動まで含めないと、実際の残高は分かりません。月ごとの入出金で確認しましょう。[参考2]

商品を採算順に並べた表は、値上げだけでなく、販売先への配分や商品規格の見直しにも使えます。

まずは主力商品の中から、比較できる組み合わせを一つ選ぶところから始めてみてください。

百一姓では、農家の方と数字を見ながら経営を考える

「営農数値プロフェッショナル講座」を開いています。

無料体験会も定期的に開催しています。

百一姓では、農家の方と

数字を見ながら経営を考える

「営農数値プロフェッショナル講座」

を開いています。

無料体験会も定期的に開催しています。

あなたの経営を変える第一歩!
まずはお気軽にご相談ください
上部へスクロール