農園の資金繰りはお金が最も減る月から考える

農園の資金繰りはお金が最も減る月から考える

一年の収支を計算すると利益が残る。それでも、資材を買い、スタッフに給与を払い、収穫物の代金が入るまでには時間があります。

農園の資金繰りを考えるときは、一年の利益とともに、途中でお金が最も減る月を確かめることが大切です。

入金の少ない時期に設備更新やまとめ買いが重なると、手元資金は急に減ります。補助金などの入金を予定している場合も、支払いが先になることがあります。

必要な金額が見えていれば、購入時期をずらす、仕事の受け方を変える、金融機関に相談するといった選択を早めに検討できます。

年間の計画を月ごとの入出金に置き直す

まず、各月の初めにいくらあり、いつ何のお金が入り、いつ何に支払うかを並べます。

月末の残高は「月初の残高+入金−出金」で求め、翌月へ繰り越します。

売上を計上する月と代金を受け取る月が異なる取引は、入金予定日に合わせます。

会計ソフトの月次資料は出発点になりますが、損益の数字をそのまま資金繰りに使えるとは限りません。借入金の元本返済、設備代金、税金などの支出と、減価償却など現金の支払いを伴わない費用を整理する必要があります。事業から家計へ移すお金も、事業形態に合う扱いを確認したうえで、資金の見通しに含めます。[参考1]

例えば、仮に月初残高が240万円、入金が80万円、通常の支払いが190万円なら、月末は130万円です。ここで設備代金100万円を払うと、残高は30万円になります。

年間では投資効果を期待できても、その月に支払えるかは別に確かめる必要があります。これは実際の農園の数字ではなく、考え方を示す例です。

安心できる残高を農園の条件で決める

手元に残したい資金は、販売の季節性、入金までの日数、返済予定、予定外の支出などによって変わります。

一定の月数分の固定費を持つという考え方は目安になりますが、どの農園にも同じ月数が適切とは限りません。実際の月別表で不足する時期と金額を確かめます。

普段の想定に加えて、入金が遅れる場合や、販売数量が減る場合も試算します。

売上が減れば一部の支出も減ることがありますが、給与や返済など、そのまま続く支払いもあります。

売上とすべての費用を同じ割合で減らさず、支払予定を一つずつ確認します。

雇用と設備投資を同じ表で考える

スタッフを増やす計画では、年間の人件費に加えて、給与の支払い開始と、その人の仕事が入金につながる時期を見ます。

教えるために既存スタッフが使う時間や、仕事量の少ない季節も含めて考えると、無理の少ない採用時期を選びやすくなります。

設備や資材をまとめて購入する場合も、単価の安さと資金の減り方を合わせて見ます。必要量を超える在庫を抱えれば、その分のお金を他の仕事に使えなくなります。

予定を変えられる支出と、期日が決まっている支出を分け、事前に相談する金額や条件を決めておくと判断を急がずに済みます。

月に一度は実績と見込みを更新する

資金繰り表は、作った時点の予測です。月が終わったら実績に置き換え、その先の見込みを更新します。

大きくずれた項目は、入金時期の違いなのか、数量や価格の違いなのかを分けて確認します。

予定している入金も、確定したものと条件の残るものを区別します。

借入を検討するときには、資金が必要になる理由、必要額、返済の見通しを整理して相談します。

残高が足りない月を先に見つけることが、農園の選択肢を増やします。次の大きな買い物の前に、その支払いを資金繰り表へ入れてみてください。

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