次のリーダーを育てるには教え方を教える
現場で仕事ができる人に、次のリーダーを任せたい。
そう考えたとき、作業の上手さに加えて確かめたいのが、人に仕事を伝え、相談を受け、チームで結果を出す力です。
本人が一人でできることと、周囲ができるように支えることには、違う経験が必要です。
農地や拠点を広げる計画があるなら、現場をまとめる人を育てる時間も計画に入れます。人が足りなくなってから役職を渡すと、新しいリーダーは通常の作業と管理を同時に抱えることになります。小さな役割から練習できる仕組みを作っておきたいところです。
組織図に仕事と次の候補を添える
今の組織を描くときは、名前と役職だけでなく、栽培計画、作業指示、スタッフ育成、取引先対応など、実際に担っている仕事も書きます。
肩書きは一つでも、多くの役割が同じ人に集まっていることがあります。
次に、その人が不在のとき誰が対応できるかを確かめます。すぐに代われる人がいなければ、仕事を分けて覚えてもらう候補を考えます。
人を評価するための順位表ではなく、農園が続くために引き継ぐ仕事を見つけるための整理です。
候補者を年齢や経験年数だけで決めない
次のリーダーには、分からないことを調べる、周囲に相談する、相手の話を聞くといった行動も求められます。経験の長さだけで判断せず、本人がどんな役割を希望し、日々どのように学んでいるかを見ます。
外から採用する場合も、求める仕事を具体化します。栽培を任せたいのか、人員配置を整えてほしいのか、新しい拠点を立ち上げたいのかで、必要な経験は変わります。
既存スタッフの育成と採用を並べて考えることで、必要な力を補いやすくなります。
教える場面を一緒に振り返る
人を育てる仕事は、説明を聞くだけでは身につきにくいものです。
まず経験者が手本を見せ、理由を説明し、相手に実際にやってもらい、できた点と次の課題を確かめます。教える側もこの流れを使い、相手がどこで迷ったかを観察します。
個別面談では、育成担当者が新しいリーダーの対話を見て、後から振り返る方法もあります。その場合は、同席の目的と役割を本人たちに説明します。
話を聞く場面、質問する場面、決める場面を一緒に確認し、一度に直すことを増やしすぎないようにします。
現場作業と育成の時間を両立させる
リーダーに育成を頼んでも、一日の予定が作業だけで埋まっていれば実行しにくくなります。短い面談や作業後の振り返りを予定に置き、その時間に他の仕事を誰が支えるかまで考えます。
育成の成果は、リーダー本人の作業量だけでは測れません。チームから早めの相談が出るようになったか、担当者が判断できる範囲が増えたか、同じ手戻りが減ったかを見ます。
リーダーが自分で処理する仕事を減らし、周囲が動けるようになった変化も認めます。
部門を越えて学ぶ機会をつくる
複数の部門がある農園では、それぞれのリーダーが孤立しないことも大切です。
繁忙期の応援や短い情報交換を通じて、他の部門の教え方や段取りを知る機会をつくります。応援を頼む際には、相手側の仕事と教える負担も確かめます。
引き継ぎの期限は、役職を変える日だけで決めず、任せる仕事を段階に分けて考えます。
まず日々の作業調整、次にスタッフ育成、その後に部門の計画というように、自分たちの状況に合う順番をつけます。次のリーダーが経験を積める時間を確保することが、規模を広げる準備になります。
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